ゴルフメッキ工房 ブログ

アルファメックによるゴルフメッキ工房ブログです。
ゴルフメッキ工房では、オリジナルゴルフヘッドの製作を主な業務として営業しています。
カスタムヘッド製作やゴルフのことなどを現場から発信していきます。

メッキで重量合わせ

2021年3月末時点で、そこまで大々的に展開しているサービスではないのですが、メッキによるゴルフヘッドの重量合わせというサービスについて本日は説明したいと思います。

ゴルフクラブの機能を構成する要素として、重量バランスは重要な位置にあります。ゴルフクラブが強烈な遠心力を得ようとする時、僅かメッキ皮膜の重量3グラムであってもボールや身体に与える影響は随分と変わってきます。

ゴルフクラブのヘッドを重くする際に、鉛テープをバックフェースに貼り付けるシーンをイメージする方は多いと思います。少し重くするだけでトップばかり出ていた不具合が解消することも多いから、応急処置的なやり方として広く知られています。

しかしながら厳密にいえば、ゴルフヘッドの設計思想的には鉛テープを貼り付けた部分に重量が集中するため、重心位置の変化など、クラブ設計者の意図しない構造的変化を発生させてしまいます。

一方でメッキは、ゴルフクラブを包み込む形で皮膜を形成するため、同じ重さを増やすにしても、その意味合いは大きく異なります。重心位置が変化するということは起こりません。

均一にメッキされた皮膜の断面写真

フィッターの方からすると、魔法の様な技術ではないかと思うはずです。確かに、均一に重量を与えることが出来るとすれば、こんなに都合のいいウェイトは他にないからです。

コストの壁

メッキのコストを決める要素の一つに、生産性が挙げられます。我々関西のメッキ屋が「タコ」と呼ぶ、ゴルフクラブに電気を流すための治具にいくつ製品が掛けられるかで、1工程のコストを割り算して単価を決めるのです。以前その生産性とバラツキの関係について解説したことがありますが、極端な話、1個だけ特別扱いしようとすれば、10個ずつタコに掛けて処理するものと比べ、10倍のコストが必要になるのです。

割り算出来る数まで認知度を上げたい

正直なところ、ゴルフ業界への貢献と、商業的な成功は両立させなければいけないと考えています。そのため、メッキによる重量合わせについて、一定数のロットが集まれば安価に対応して行けるようになるので、認知度を上げて特注品ではなく、別注品として取り扱えるようにしたいですね。

現在は、通常のメッキに割り込ませる形で2回処理する方法で重量を増やす対応は行っています。そのため、通常の倍の7グラムを狙ったメッキ重量となります。

ご要望がございましたら、ゴルフメッキ工房までお気軽にご相談ください。