メッキ重量について

ある製品を作る際に生じてしまう「バラツキ」について、ゴルフのアイアンやパターを事例として説明させて頂きたいと思います。

「バラツキ」とは

例えばアイアンを製造した時に、仕上がり重量が均一ではなく不揃いになってしまうことを言います。その不揃い具合に対して上限値と下限値が設けられていて、中央に収束しているほどバラツキが抑えられているということになります。

メッキに求められる重量コントロール

ゴルフメッキ工房に持ち込まれるリペア品は、荷受けした時点での重量を計測し、その重量に戻るように処理しています。

理由は明確で、ヘッドだけ重くなったり軽くなったりしたら、クラブの総重量に変化が生じてバランスが狂ってしまうためです。

メッキにも上記のバラツキが大きく関わってきます。

メッキ重量のバラツキを図解

メッキはタンクの中にどれだけ一度に投入できるかでコストが変わってきます。その一方で、タンクの中での配列でメッキ重量にバラツキが生じてしまいます。外側と下側はつきやすく、内側と上側はつきにくい傾向があります。バラツキを抑えようとする場合、【2】の重量分布となっているアイアンだけを取り出せばよいのですが、6/10個(60%)もしくは12/30個(40%)しか取ることが出来ません。このため重量公差が設けられていて、なおかつ【1】と【5】のどちらも公差に入るように電流条件を調整することがメッキ屋の技術力と言えます。

バラツキを無くし次のステージへ

当社では精度の高いメッキを精密機械部品向けに行っているため、電流分布のバラツキを減らすための取組を長く研究開発して参りました。そのため、現状で上下方向のバラツキを無くすことに成功しております。

通常、バラツキが発生する外側を電気のガードバンパーの様なものを金属製で作って囲ってメッキします。これにより電流密度の管理が容易となり平均的なメッキ重量を担保することが可能となります。

ただし、次の事が犠牲になります。

  • ガードバンパーへの金属付着による材料ロス
  • ガードバンパーの剥離保全作業の追加
  • ガードバンパー分のメッキスペースロス

当社の場合、かなりコンパクトなタンクでガードバンパー無しにメッキをするため、ロスを抑えたエコロジー&エコノミーを実現しています。

重量調整は可能か

メッキの重量調整は、管理されたメッキ条件を保有する企業であれば時間の増減で調整することが可能です。

ただし、1個だけの場合コスト増となります。理由は、同じだけ重量を増やしたり減らしたりする必要があるアイアンヘッドが無い為です。

可能ですが、1バー当たり10個相当のメッキコストが1個に乗って来る計算になります。

また、銅下メッキを付けることで約2グラムの増量も可能です。

さらに、素材の修正研磨で重量を落とすことも可能ですがその分ヘッド内のバランスも変わってしまう可能性があります。

ヘッドだけでは重量バランスが取れない

ここまで説明させて頂きましたが、結局のところゴルフクラブはヘッド・シャフト・グリップが揃って始めて機能する道具なので、重量合わせは必ず他のセットとの重量ピッチに合わせてウェイト調整していくことが肝心だと断言させて頂きます。

先にも申し上げましたが、メッキでお手伝いできることは、必要とされる重量に合わせる事です。その精度に関しては自信を持ち、お付き合いして行けるものと自負しております。

今後ともよろしくお願いいたします。


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