ワンレングスアイアンを考察するついでに試作もしてみました

デシャンボー選手が使用しているワンレングスアイアン。物凄い興味があるのですが、どうして流行っていないのか考察してみました。

道具作りに携わる者として、”簡単に飛ばせる”という技術の追求は、終わることがないと言えます。道具を選べる競技だから、ルール範囲内でどんな工夫をしたっていいじゃないかというのが私の信条であります。

ワンレングスアイアンの考察

デシャンボー選手は、37.5インチに4番ユーティリティからウェッジまで統一しているということですが、6番アイアンの長さでアプローチもするというのは難易度が高いなと感じました。転がしアプローチで7番アイアンを使ったりしますが、自分の考えているよりもシャフトのしなりが影響して球足が強くなってしまう印象があります。

日本人のアベレージゴルファーがワンレングスアイアンを採用するとしたら、4番アイアンは使用率が低いので7番アイアンを基準に37インチで設定するのかなと思います。場合によっては8番アイアンに合わせるかもしれません。

そうなると、7番アイアンのヘッドスピードが上限になるため、今まで37.5インチから38インチ近いシャフトの5番アイアンを使用していた方からすると、37インチの5番だとどうしても飛距離が落ちてしまいます。ただし、シャフトが短いことでミート率が向上することも考慮されるため、場合によっては距離が死なずに結果に満足される場合もあるとも考えられます。

ワンレングスアイアンへ何を求めているのか

私個人的な考えなんですが、番手によるシャフト長の階段は作った方が、下の番手に行くほど難易度が下がりナイスショット、ナイスアプローチの確立が上がるのでベターだと思います。

ただし、しっかりと自分の思った打球を飛ばせる番手以上の難易度が高いと思われるところから、このワンレングスアイアンの考え方を取り入れられればもっとゴルフが楽しくなるはずなんです。

ということで、先日私の知人とこの話を煮詰めた結果、試作品1号が完成しました。

ロフトだけ5番の7番アイアン

デシャンボー選手のワンレングスアイアンを、5番アイアンだけで再現してみたのです。この方は、ユーティリティやフェアウェイウッドよりもどちらかと言えばアイアンを好まれるので、少しでも飛距離を稼ぎつつアイアンでぎりぎりまで勝負したいというこだわりと、我々ゴルフメッキ工房のものづくり魂がマッチングして試作をしようということになりました。

結果としては、「7番みたいに振りやすいのに、飛距離も出て大満足」という感想を頂戴いたしました。私も出荷前に構えさせていただきましたが、めちゃくちゃ簡単そうなイメージで振れる5番アイアンでした。

そして、しばらくしてもう一度ご連絡を頂き、こう言われました。

「可能であれば、3番も作りたい。」

これが、どうしても鍛造金型の問題で作れなくはないがグースがきつい、チーピン覚悟のヘッドしか出来上がらないということが判明してしまい、泣く泣くお断りすることになりました。

それでも、男のロマンとものづくりの探究心は新たな可能性を模索することになりました。

人工フライヤーで飛距離を稼げないか

以前、PTFE(テフロン)加工のウェッジを作り、スピンが増えないか実験したところ、スピンが減ってしまったことを思い出し、低スピンで飛ばしていける、人工フライヤーアイアンを提案させていただき、乗っていただくことになりました。フライパンに撥水加工で使われているPTFEですが、私どもの本業ではバルブのかじり防止や、樹脂射出成型金型の離型性目的で使用されている、がちがちの工業用途メッキです。(無電解ニッケル・りん/PTFE複合メッキ)

こうしてオリジナルクラブが完成し、先日納品させて頂きました。

ユーザーレビュー

まだ機械測定をしたわけではないので、ユーザーレビューになるのですが、以前納品したロフトだけ5番アイアンと今回も構造は同じで、表面処理だけPTFE加工をしたわけですが、練習場で打ち比べてもらったところ、以下のコメントを頂きました。

練習行ってきました!
下記、全部私の印象ですが、
球の出だしの高さや強さは一緒ぐらい
キャリーの距離は心持ちPTFE が飛んでる?
ワンバウンドした後の伸びが圧倒的にPTFE が前に出る
結果、10-15yぐらいPTFE の方が飛んでる
こんな感じです!

スピン量は明らかに少ないです。
PTFE はフラフラーっと飛んでってストンと落ちる感じ、ブラックは普通のクラブと同じく最後まで粘りを感じる弾道です
データ出たら、また教えてください✌️

LINE本文そのまま

目論見通り、バックスピン量が減ったとすれば、ボールの拭き上がりによるキャリーロスの軽減と、着弾後のボールの戻りが軽減されるたのではないかと推察されます。

来月には、#5-PWのPTFEセットが仕上がってきますので、今一般的なニッケルクロムメッキ仕上げのセットと重量バランスを合わせて完全に表面処理だけ違う状態での比較テストを実施し、数値データをご紹介できればと考えております。

続報をご期待ください。

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