硬質クロムメッキとは何なのか

製造業に携わる者なら耳にする「硬質クロムメッキ」とは何なのか。度々ご質問を受けるため、ご説明させていただきたいと思います。

”硬質”がつかないクロムメッキ

装飾メッキと呼ばれるジャンルのクロムメッキは、下地に光沢ニッケルメッキが施されていて、一昔前は車のバンパーからパイプ椅子まで、ありとあらゆるものが青白いクロムの輝きに包まれていました。現在でも店頭のディスプレイ用棚や、自動車のグリルメッキとして見かけられます。

硬質とつかない理由は単純で、膜厚が薄いためです。極端な話、クロムが密着してさえいればよいので、1μm(1/1000mm)を下回る膜厚の場合がほとんどです。そのため、金属としては相当硬度が高いクロムであっても耐摩耗性が十分ではなく、傷が入った場所から赤さびが発生してしまうこともしばしばあります。

硬質とは

別名工業用クロムメッキとも呼ばれる硬質クロムメッキは、その用途によって膜厚は最大で100/1000mmを超えます。例えばエンジン用シリンダなどがそれに該当します。

クロムという金属自体はニッケルなどに比べても非常に硬度があるのですが、耐摩耗性を担保するものは結局膜厚ということになります。

上記の通り、使用用途に応じて必要な膜厚を設定するわけですが、ゴルフクラブは一体何μmついているのでしょうか。

ゴルフクラブの実際

クロムミラー、クロムサテン、ホワイトクロムなどの名がつくラインナップのメッキ膜厚は、クロムメッキを5μm密着させています。そのため、硬質クロムメッキと呼んでも問題がない仕様になっています。
※メッキ後にサンドブラスト処理することで5μmを下回ります

この膜厚設定は、海外からの輸入で始まった我が国のゴルフ産業黎明期に、舶来製のゴルフクラブの断面を観察し、大手メーカー様と協力して研究を重ね、耐摩耗性や耐食性を考慮し適正な膜厚を決めていった弊社の歴史でもあります。 社長ブログ

勘のいい方はお気づきかと思われますが、膜厚が厚ければ厚いほど、コストとして跳ね返ってきます。

硬質クロムメッキの課題と技術

クロムメッキは銅やニッケルメッキと比較すると、とんでもない電気の量を流してメッキするため、膜厚がバラツキを起こします。例えばキャビティが深いと、そこまで届かないか、無理やり入れようとすると周りが焦げたようにざらざらに仕上がってしまいます。

このような問題を解決するため、電気のバンパーの様なものや、電気の延長コードの様なものを工夫して作っていくことがメッキ屋として重要な課題となっております。

硬質クロムメッキはメッキの中でも不変の象徴であるため、お客様が満足いく製品を作り続けられるように頑張りたいと思います。


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