メッキで重量調整(ウェイトコントロール)

ゴルフクラブのフィーリングは、【視覚】【触覚】【聴覚】の3つが関わってきます。視覚と聴覚については今回省略させて頂きまして、今回は触覚について重量調整を考えるうえでメッキが果たす役割を書いていきたいと思います。

触覚を決めるクラブ重量

メッキやヘッドの材質が打感に占める割合はかなり大きいのですが、ゴルフクラブ総合的にはヘッド、シャフト、グリップを組み合わせて初めて成り立つもので、その総重量やバランスがスイングや触覚に及ぼす影響もかなりの要素となります。

経験的にヘッドが1.5グラム変わるとガラッと印象が変わります。

メッキで出来る重量コントロール

メッキは、概ね2/100mm程度の膜厚を狙って処理します。これは電流と処理時間でコントロールするのですが、簡単な話で、2倍の時間処理すれば4/100mmを狙えるのです。

一般的なアイアンヘッドの表面積は200平方センチメートルなので、高さ2/1000cmのニッケルの重量は、200×2÷1000×8.9=3.56gとなります。なので、処理時間を2倍にすると7.12g理論上載せることが出来るということになります。

これを1グラムだけ加重したいとなると、処理時間が100であれば、28に短縮すればよいのですが、ここから先はバラツキを読み取れる職人の経験と勘と度胸に頼った世界へと突入するのです。

ノーメッキ仕様は特に要注意

ノーメッキ仕様は、このアイアンヘッドのメッキを剥離して、研磨とサンドブラスト処理を行うため100%軽くなります。どの程度軽くなるかは、メッキを剥がしてみないことには分からないのですが、一般的なメッキ処理であれば3.5グラム程度落ちて、さらに研磨でも1~2グラム落ちます。

ホーゼルやバックフェイスに錘を付けることで重量バランスをコントロールする方法もありますが、ゴルフクラブの設計仕様とは著しく異なったものになってしまうことをご理解ください。なぜなら、ゴルフヘッドの形状とは全く別の形で錘をつけることになるので、必然的に設計された時に想定していた重心位置が変わってしまうからです。

重量変化の一例

以前お客様からリシャフト込みでお預かりした製品で、ご注文当初は剥離後に錘を使ったバランス調整を行う予定でしたが、下の表のように剥離した時に思った以上に重量が落ちてしまいました。7番に至っては-8.4グラムなので、それだけの錘をホーゼルに入れたりバックフェイスに取り付けると違和感しか残らないなということで、ノーメッキ仕様は止めてあえてメッキのご提案をさせていただくことになりました。

結果として、剥離前にかなり近い数値に重量合わせを行いました。※7番のみ重量バランスから外れていたため流れに合う形で設定を変えました。

これをやった職人は鼻高々

実はお客様に見積時点で提案させて頂いた重量合わせでは、1.5ポイント程度のバラツキはご容認頂く形でのものだったのですが、蓋を開けるとかなり精度の高い重量コントロールが出来ていました。上記のようにバラツキを経験と勘と度胸で読み解く腕が無いと出来ない仕事です。

コストアップの理由

重量アップオーダーには、3種類の方法があります。

①銅下メッキの追加

銅メッキを追加すると、打感が柔らかくなることもさることながら、2~3グラム程度の加重が可能となります。

②ニッケルメッキ2回処理

先述したように、ニッケルメッキを2回処理することで、6~8グラム程度の加重をすることが可能です。単純に重量を増やしたいとか、減り過ぎたので一般的なバランスに調整したいなどの場合に有効です。

同じバッジでは、生材を処理するので、ニッケルメッキ1週分の費用アップだけで済みます。

③グラム単位の重量調整

①と②の様に、既定の重量調整でははみ出す、もしくは不足する重量を調整するため、1個単位での処理を行います。そのため、1バッジ(1ラック)分が1個の単価に乗っかってきます。

通常ニッケルメッキは10個で処理していくので、9個分余計に費用が加算されます。

メッキによる重量調整は精度に直結する

上記の通り、通常品よりも費用がかかりますが、重量バランスを行うことでゴルフクラブを振る際の触覚精度へは確実に直結すると自負致します。

まずはご相談ください。

ご注文
お問い合わせ

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。