T-ZOIDレストアで見た奇跡

先日お知り合いの方から、相談を受けました。

20年前から愛用しているT-ZOIDをブラックボロンに改造して、バックフェイスのロゴを阪神タイガースにしたい。

そうして完成したのが、3番アイアンからサンドウェッジまで揃った世界に一つだけのT-ZOIDブラックボロン艶あり×阪神タイガースモデルでした。シャフトにはDG S120を挿し、軽いのに剛性がしっかりと取れたニューシャフトでしっかりとしたゴルフを、カッコよく出来るようになったとかなりのお喜びの言葉を頂きました。

それも束の間、直ぐに新しい相談を受けました。

「T-ZOIDの2番アイアンを見つけてしまったから、同じようにやって欲しい。」

分かりましたと二つ返事でお預かりして、提携先のゴルフ工房に持ち込んだところあることが判明しました。

「このT-ZOIDの2番、カーボンシャフトを挿す前提で作ってるから、3番アイアンの重量やわ。どうする？」

私「うーん、なんとかします！」

ということで、懇意にさせて頂いているK専務にお電話掛けまして、相談しました。

私「こんなことをお願いして大変恐縮ではございますが・・・これから剥離して送る2番アイアンの重量を、一般的にスチールシャフトがささる2番アイアンがメッキされる前の重量にしてもらえないでしょうか？」

K専務「うーーん！！難しいこと頼んでくるなあ！！分かりました！(笑)とりあえず送っといてください！」

そして・・・まさかの1/10グラム単位で全くオーダー通り。しかも、刻印が消えずに残っているという神業。下の画像はメッキ後のものですが、カーボンシャフトから外した時点で247.7g、メッキを剥がすと2gほどしか落ちませんでした。これは恐らく、2番アイアンの表面積が小さいため、他の大きな番手と一緒にめっきをしたため重量が乗っていなかったせいです。（超マニアック視点）

245.7gから231gまで形を変えず、刻印を消さず14.7g落としの神業を私たちは見せて頂きました。営業の私を含め、ゴルフメッキ工房のスタッフ全員がこれほどの技を目撃出来て、暫く笑いが止まらなくなりました。もちろんお渡ししたオーナーさんも超ご満悦。世界のどこを探してもT-ZOIDのスチールシャフトが刺さった2番アイアンは売ってないですから。自分で作るしかない、ここにリペア・カスタム・レストアの楽しみが詰まっています。