ゴルフメッキ工房 ブログ

アルファメックによるゴルフメッキ工房ブログです。
ゴルフメッキ工房では、オリジナルゴルフヘッドの製作を主な業務として営業しています。
カスタムヘッド製作やゴルフのことなどを現場から発信していきます。

ノーメッキ仕様

少し間が空きました。フェイスノーメッキ仕様を自分のキャディバッグに入れて1年以上前から使い始めています。ノーメッキ仕様やフェイスノーメッキ仕様をお考えの方に、1年間使ってみた際の気になる点や、気を付けるべき点をお伝えできればと思います。

1.初期は放置しないで

ノーメッキ仕様を永く使うコツは、最初の一カ月間使い倒すことです。

ノーメッキ仕様、つまり鉄は水分と酸素によって赤錆が形成され、最終的にはガタガタになります。もう少し数値的に説明すると、この水分は何もゴルフ場で付着した芝生の水分だけでなく、空気中に含有される水蒸気が湿度60%以上の条件となった時にその効力を発揮します。

そして、ノーメッキ仕様にする工程は実はアイアン本体の鉄を最も錆びやすくさせる工程を取っているため、防錆剤と呼ばれる気化性の白い粉末を入れていても放置期間を長く取るとあっという間に錆びてしまいます。

もし、手に入れて直ぐに使ってみて、そのまま数日放置でもしてしまったら、びっくりするほど錆が進行してしまいます。見ていたらその日中に色が変わることもあります。

2.錆びさせて錆を落とすのが効果的な防錆対策

ノーメッキ仕様は出来立てほやほやの時最も錆びやすいのですが、錆びさせ方によっては錆の成長をかなり遅らせることが出来ます。

私が推奨したいのは、とにかく最初の頃はマメに使い込んでもらいたいということです。

具体的には、錆が発生したら薄い段階でボールを打ってその錆びを落として、これを続けていくことで表面に錆が馴染みます。色は少し落ち着いた黒とグレーの間ぐらいになります。

鉄が錆びる理想的なケースは、全面均一腐食と言って局部腐食と対極に位置するものです。腐食は酸化還元反応の結果ですが、面が広いとスピードが遅くなり、表面がガタガタにもなりにくく綺麗な外観を保つことが出来ます。一方で局部腐食、一般的な言葉で言えば点錆(てんさび)などのポツポツと出来る錆は、進行スピードが速く文字通り局部的に腐食が進行したりしなかったりするので、ガタガタになってしまいます。

ですから、なるべく全体が同じように変化するようにボールを打って錆を落としながら、薄い錆でコーティングしてあげるのが理想です。下の写真が理想です。

3.スピン性能が上がるワケ

アプローチで距離を調節して打ちたい場面。メッキ仕様に対してどういったアドバンテージが有るかと言えば、スピンを利かせやすいということが言えます。どういうことかロジカルに解説します。

  1. ノーメッキ仕様はメッキ(ニッケルクロムを想定)よりも柔らかい
  2. 柔らかいとボールを弾き飛ばす距離が短くなる
  3. 同じ距離を打つのでもヘッドスピードを上げる必要がある
  4. ヘッドスピードが上がるのでいつもよりスピンが利く

フルショットするアイアンは、クラブの寿命からもノーメッキにする必要はあまりないのですが、ハーフショット未満でスイングする機会の多いアプローチウェッジでは、デッドにピンを狙っていくことが出来るのでハイレベルなゴルファーがノーメッキ仕様を使いたがると言うわけです。

ノーメッキ仕様にしたからと言って同じ振り方でスピンが急にかかるわけではなくて、ランを計算せずにスピンを使ったアプローチが実現できるということです。

4.反射がまぶしくない

通常ゴルフクラブヘッドには、Wニッケルメッキと最終層にクロムメッキなどを施しますが、ニッケルメッキはそれ自体が光沢感を増すため、途中で何もしなければピカピカに光って仕上がります。

天気のいい日、クラブを構えた際に日の光が反射で目に入って来てショットに集中できないと困りますよね。

もちろん、上記の通りサンドブラストで処理することなどで光沢を抑えることは出来ますが、ノーメッキ仕様は鉄の鈍い光り方しかしないので反射がまぶしくない利点があります。

まとめ

ノーメッキ仕様は錆びるとは言え、初期の”錆びさせ方”を上手くすれば、思っているよりも長い期間性能を維持したまま使い続けることが可能です。

同じ距離を打つのにスピンをかけて行きやすいことや、まぶしくないなどのメリットもありますし、もしお使いのウェッジをノーメッキに変えてみたいという場合にはお気軽にご連絡ください。

お問い合わせ(個人向け)

価格(ご参考)※2023年9月5日時点

・ノーメッキ仕様:2,200円(税込み)

・リシャフト工賃:3,850円(税込み)
※ヘッドのみの場合不要

・関西⇔関東運賃:770円(ヘッドのみ)、1,320円(シャフト付き)