メッキによる重量調整のしくみ

ブログに掲載した内容を、スライドショーで少し理解して頂きやすいように作り直しました。ゴルフ工房やゴルフショップ、フィッティングをメインとしてプロからアマチュアのゴルフファンまでを顧客として取り扱う方々から多くお問い合わせを頂いている内容になります。リペア・カスタムサービスでは一旦クラブについたメッキ皮膜を化学的に剥離処理します。そして研磨、再メッキ、仕上げを行うのですが、元通りの重量であったり、少し加重したかったりとご要望は様々で、なるべくお応えしたいためこれを読んでご理解を深めて頂ければ幸いです。

アルファメック基準ではダブルニッケルが3グラム台、上層のクロムが1グラム未満の重量でつきます。しかしながら、お預かりしたゴルフクラブを剥離してみると思わぬメッキ重量が失われて軽くなりすぎることがあります。

ゴルフクラブの製造は、鍛造、研磨、メッキ、色入れ、組立などほとんどの工程が分業化されています。メッキ前の重量にバラつきが出てしまい、メッキの重量をコントロールして帳尻を合わせる場合と、メッキのバラつきが大きいので組立で帳尻を合わせている場合などが考えられます。製造元全てのことを把握しているわけではないため、入荷後にメッキ皮膜を剥がしてみて初めてどのぐらい重量があるのか分かるというわけなのです。

減った重量を単純に元通りに出来れば通常のダブルニッケル・クロムメッキ工程1回転で良いのですが、減り過ぎた場合、元の重量よりも加重したい場合などご要望によって、2回転でよかったり、個別対応をしなければならないケースがあります。

個別対応についてここで詳細に触れさせて頂きますが、メッキ重量は電流値とメッキ時間に正比例されて増加します。電流値を変更すると、正常な成膜が出来ない恐れがあるため、時間のみの変化でこれをコントロールします。例えば、20μmをx分で処理していて、35μmにしたい場合は、1.75x分で処理すれば狙った重量にすることが出来ます。

1回の処理で10~12個を一度に処理するのですが、他の9~11個をそこまで加重させたくない場合、1個だけで処理しなければいけない上に、連続して処理している流れを止めて、他の全ての処理が行われていないタイミングを見計らう必要があるため、”特別対応”となるというわけなんです。

重量調整が必要な場合、必ずご注文時にその旨をお伝えください。そこから先は、上記の流れでご連絡とお打合せを行って、最善策を取りたいと思います。

番外編ですが、ゴルフクラブの重量フローを調整することは、ファッションで言うところの洋服の採寸をして自分に似合うように仕立て上げることと同義です。ただ憧れの選手が使っているゴルフクラブを手に入れて満足するのではなく、フィッティングをしたうえで、自分の身体が十分な設計性能を引き出せるようにプロとゴルフクラブを作り上げてみてください。

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