中空アイアンがリペア不可である理由

お客様からのお問い合わせの中で、最も気を遣わせて頂く部分は「リペア可能かどうか」です。タイトルにある”中空アイアン”の大半のモデルはリペア不可であるため、一括りにお断りさせて頂いておりますが、中には対応出来るモデルもありここでその理由を明確に説明しておくべきと思い、記事にしました。

中空アイアンの構造

中空アイアンは、中空構造になったアイアンの総称で、アイアンの操作性と飛距離性能を兼ね備えたタイプを指します。下のイラストは下手くそですが私が描いた中空アイアンの断面イラストです。

アイアンで飛距離を出すためには、軟鉄鍛造でマッスルバック構造が最もボールへの衝撃が大きくなるのですが、スイートスポットが非常に狭く、ミート率が低くなるというデメリットが大きいため、上級者でなければ敬遠され、売れません。

チタン、マレージング鋼、クロムモリブデン鋼など高硬度で反発係数の大きな金属をフェイスに用いることで飛距離を得る試みが各メーカーで行われ、現在も使用されたモデルが多く存在しますが、欠点としてヘッドが大きくなりすぎることでフェイス開閉がやりにくく操作性が下がってしまうということと、表面処理、特にメッキ技術でキャビティの深いモデルはキャビティ内へのメッキ付き周り難易度が高く、塗装やアルミ素材や樹脂素材のバッジを貼りつけるなどの”装飾”が必要となって来ることや、メッキ困難であるためステンレスボディを採用するため意匠性が悪いという欠点があります。

中空アイアンは、ヘッドがあまり大型化されないため、操作性を落とすことなく、構造上内部の中空空間を利用したたわみによる高反発を実現することで、飛距離性能を得ることも可能となり、近年採用するメーカーが増加傾向にあります。ユーティリティからの派生でミドルアイアン、ショートアイアンまでその流れが来ている印象です。

もう一点、中空アイアンはメッキするだけであれば液漏れが起こらないマスキング方法を確立しさえすれば対応が可能であるということで、メッキモデルも多く採用されています。

リペアの足かせは剥離工程にあり

またまた某メーカーモデル中空アイアンの構造を説明するため汚いイラストを下に載せました。リペアする際は、一旦クロムメッキをアルカリ性の剥離液で逆電解をかけて剥がし、さらにニッケルメッキやクロムメッキを強アルカリ性のシアン化ナトリウムベースの剥離液に浸漬して完全に素材がむき出しの状態にします。

この際ネックとなるのが、強アルカリ性のシアン化ナトリウムベースの剥離液が、ネジ穴を通って内部浸透し、メッキ中に再びその剥離液が染み出してくることで、酸性のニッケルメッキ浴と中和物を発生させてしまうなどの不具合が意図せず起こってしまうことです。

構造的に、溶接でしっかりと穴埋めが為されているモデルではこのような心配は無いのですが、基本的に何らかの欠陥があった場合製品を再び元の状態に戻すことが出来なくなるため、一括してお断りしているというのが真の理由です。

YONEXの0番と3番アイアン(ユーティリティ)は実績があります。これは上記の通り完全密閉タイプだからです。

もし、気になるモデルの中空アイアンがあれば、メールフォームからお問い合わせください。

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