ゴルフメッキ工房 ブログ

アルファメックによるゴルフメッキ工房ブログです。
ゴルフメッキ工房では、オリジナルゴルフヘッドの製作を主な業務として営業しています。
カスタムヘッド製作やゴルフのことなどを現場から発信していきます。

ジュラルミン製ドライバーヘッド

2022年現在、カーボンを中心とした軽量素材を取り入れることでドライバーヘッドの大型化が進んでいますが、パーシモンからメタルウッド、そしてチタンフェイスへ移行する過渡期にジュラルミン製ドライバーヘッドがありました。
※ジュラルミン・・・アルミニウムと銅の合金で強度が高く航空機などに採用される

DUNLOP DDH SUPER 240 FORGED

当時チタン素材は高価だったのでアルミ素材に耐食性と硬度を持たせるためダブルニッケルメッキと無電解ニッケル・ボロンメッキを弊社で行っていました。現在弊社ではアルミ素材を処理する設備を全て撤去しております。

アルミニウムとメッキについて

アルミニウムはとても酸化されやすい金属で、常に腐食と隣り合わせです。アルマイトと呼ばれる加工技術は、アルミニウムの表面をメッキと逆の操作で分厚い酸化皮膜で覆うことで腐食から守り硬度を付与するため広くアルミ合金を使用した製品に使われています。

一方でスーパー240フォージドの様にニッケルメッキされている理由は、アルマイトではボールとの衝突でアルマイト皮膜の耐久が出来ず、母材のアルミ合金が露出して腐食を開始し、たちまち破損してしまう恐れがあるためで、バリアー効果があり高強度のニッケルメッキで被覆していました。

アルミ合金にニッケルメッキを行う場合、ダブルジンケート処理という特殊な方法で、表面の酸化皮膜を除去し、除去された酸化皮膜が再び生成されないために亜鉛置換皮膜で覆い、そこにニッケルメッキを密着させる技術を用います。ダブルジンケート処理には、硝酸とフッ酸を混合した液を用いるため腐食性のガスが発生し、現場設備の保全が課題となります。

ジュラルミン製ドライバーを試打してみました

チタン加工技術の向上からコスト低減が可能となったことなどが挙げられていますが、実際の所性能が良かったのか悪かったのかを考えると、どうしても気になってしまったので、練習場へ行き試打して来ました。

まず、240CCという今テーラーメイドから出ているミニドライバー300と比較しても60CC小さいそのヘッド形状はフェアウェイウッドの様な佇まいで、構えるとそのスイートスポットの小ささが気になります。

早速1球目、打感はめちゃくちゃ硬い!!ボールの行方は終えませんでしたが、恐らくめちゃくちゃ引っ掛けて左のネットに激突してしまいました。

シャフトが硬く、右手が強すぎたのかヘッドが返り過ぎてしまっていたようです。

2球目、3球目と上手く打てないので、思い切ってゆっくりショートアイアンの様に振ると、漸く真っすぐ目標に向かって飛んでいきましたが、12度のロフトと弾きの強い性格からか、テンプラ気味に高い打球しか飛ばすことが出来ませんでした。

とにかく芯に当てるのが難しく、芯に当たったのかどうかもよく分からない打感でした。恐らく復刻版が出ることは無いでしょう。

古いゴルフ用品の魅力とそれを使いこなすスキル

古いゴルフ用品、アンティークとも呼ばれる過去の名器や迷器は今も家の物置や納屋に埃をかぶって置いてあったりするかもしれません。金属は保管状態にも左右されますが思っているよりも寿命が長いのです。

どんどん新しい材料、工法を取り入れて進化し続けるゴルフ用品の存在は、そういった過去の道具の難易度を裏付けるに足りる存在でありますので、過去の道具を使いこなすのはシンプルに上手さの証左になりますね。

ただ、簡単な道具を使ってもスコアカードに使った道具まで書き込まないのでなんでもありかなと思います♪